第40話

「あのですね、大変言いずらいんっすけど、俺と安藤君……、同じクラスで出席番号は前後なんっすよ。」




お、同じクラスに、出席番号は前後。




それはまた……







「愉快な冗談だな。」



「いや、冗談じゃないっす」




泰虎はそう言って、真剣な表情で手を横に振る。



…だよな。



そんな冗談を言うワケないよな。




「…わりぃ、俺お前のこと、知らねえわ。」



「いえ、分かってますよ。安藤君って、もう一人の安藤君にしか興味ないっすからね。」



そう言って、人懐っこい笑顔をこちらに向ける。



何で、俺……こんな可愛らしいヤツを知らないんだろうか?



一度見たら、忘れられないような気がするんだけどなあ。



なんて、思いつつも俺は止めていた足を再び動かす。

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