第46話

ザァァァ…----



夜の雨がこんなにも冷えるなんて、俺は今まで知らなかった。



こんなにも、冷たい心をさらに冷たくするだなんて、俺は知らなかった。




雨に打たれたいと思っていたハズなのに、もう濡れたくないなんて思うのは、きっと俺が弱い証拠だと思う。




もう、帰りたいと思うのはきっと俺が弱い証拠だ。




でも、そう思っても実際そうすることは出来なかった。



だって、男たるもの一度言ったことを撤回するなんてこと……出来ないから。




一度、家出してあんな酷い事を言ってしまった後に、謝るなんて恥ずかしい事……俺には出来ない。





雨と一緒に、分からないように俺は涙を流す。



あくまで分からないように流したつもりだったのに、彼には分かってしまった。





『泣いてんのか?』




その声だけで、それが誰だか分かってしまった。



一度だけ遠目で見て、聞いた声を今でも覚えていたのはきっと良かったと思う。

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