第31話

そんな二人を呆然と見ていたせいか、気づく事が出来なかった。



……後ろからの気配に。




私の背後からゆっくりと手が伸びて来て────



ギュッ──



「どわ…っ!?」



後ろから抱き締められている態勢になってしまっていた。



というか、オレにぶら下がっている物体が首絞めてる!!



く…ぐるじい!



そして、ぶらさがっている人物がオレに向かって口を開いた。





「いやっほおい!佐藤 真野ちゃんだよね!マアちゃんだよね!」



彼はそう言って、上機嫌に揺れる。



マア、ちゃん?



それが自分である事を認識するのに時間がかかる。



そして、またしても首を絞められながらもニコニコと笑顔でいる彼は手強いのかもしれたい。




「ほら!今朝会ったじゃんか!松下 朱希(マツシタ アキ)だよ!アッキーって呼んでね!」



呼びません。




神に誓っても絶対呼びません。

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