第32話

こうして、なんやかんやすったもんだありながら午前の部は過ぎていった。



「「『飯っ!!!』」」



私たちははみくじさんと日和が並べてくれる重箱を前に目を爛々と輝かせる。



「日和は今日帰るん?」



「柳さんとこ泊めてもらうことになっとる。ボン、同室よろ。」



『みくじさんみくじさん、これは誰のお手製ですか!?』



「姐さんです。みなさん召し上がれ。」



「みくじさんも作ってたんすよ。」



『みくじさんのエプロン姿……うん、レア。鼻血もんだな。』



「……なにぶつぶつ言ってんだよ。こわっ」



この息子たちもいつかは素敵な強面になれるのだろうか……。



『先はなげーな。』



「なんか貶された気がする。」



「どうせまた変なこと考えてるだけだろ。いただきまーす!」



「「『いただきまーす!!』」」



食べ盛りの男子高校生四人だけあって重箱の中はあっという間に減っていく。

旨い!さすがシオちゃん。

そして食事もデザートのフルーツタイムに入った。



「食事中失礼します。綾瀬さんお会いするのは初めてですね。九条の清水さんも。會田の桜井と申します。」



「初めまして。うちの愚息がご子息や會田さんの若頭と仲良くさせてもらっているのは聞いています。」



おお、緊張感が……。

みくじさんはいつもと変わらないが、晃と日和も引き締まった“組の人間”の顔をしている。

ユウジ父の後ろにいた麟太郎たちともみくじさんは言葉を交わしていた。



私たちはそれを眺めながら勉強していた。



「八雲くん、君も柳さんところの人だったとは……あなたのことは全く出てこないので驚きですね。」



『居候の身っすよ。』



髑髏でも、やはり桃里は一般人だからこの場にはいないか。

桃里もいつかは會田組に入るのかな。

そういえば、桃里は私に聞きたいことがあるんじゃなかったっけ?



「これはこれは綾瀬さん桜井さんお揃いで。こんにちは。」



「堀江さん……」



「こんにちは、堀江さん。」



次に来たのは銀聖とたーちゃんを連れた強面大男。

堀江さんということはたーちゃんのお父さんか。

伊嶋組の人間には初めて会った。

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