第22話
『てな感じで、黒斗さんには世話になったの。』
「そうなんだ……。さっきの話に出てきた“チビ”って」
『紺ちゃんの想像している通りだと思うよ。』
「全部が繋がって今の光くんがいるんだね。』
兄と呼べる人に出会い、黒斗さんと出会って自分の進むべき道を知った。
チビと出会い、弱い自分と向き合った。
頭と出会って俺は今ここにいる。
一つ違ったらもしかしたら違う未来になってたかもって思うと、今ここにいられることが奇跡みたいだと思う。
「運命って信じないけど、経緯はいくつも分かれてても結果は必然的に今に繋がるはずだと思う。」
『紺ちゃんらしいや。』
その日の晩、縁側で紺ちゃんからもらったお菓子を食べていた。
「光、どうした?」
『昔のことをちょっと思い出してた。』
金木犀の花が風に舞い、クルクルと回りながら俺の膝に落ちる。
落ちてきた方を見上げると、柔らかく笑う獅子さんが「それ覚えてる?」と言った。
『俺が施設に入った日、一緒に見た。』
「懐かしいな。そういえば、お前が昔助けようとしてたあの子はどうしてるんだ?」
『さあ……どうしてるんでしょうね。』
俺みたいに自分の居場所を見つけられてたらいいな。
俺もアイツもずっと家族がいなかったから……。
だから、アイツをあそこに連れていった。
「離れていても、家族だろ。」
『アンタはエスパーか。』
「俺はずっとそう思って頑張ってきた。」
『はぁ……敵わないな、兄さんと紺ちゃんには。』
この人は昔から変わらない。
恥ずかしいことを平然と言うことに抵抗がない。
小さな手がくれた黄色の花。
栞になった金木犀を見つめて目を閉じた───。
≪光side end≫
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