第94話

バッと後ろを振り返った時には、もう彼の姿は見えなかった。




オレは諦めて、下を向いた。



…ホスト教師がオレを本気で心配してた。



当夜はこんな時に冗談は吐かない。



だからきっとそれは本当の事なのだろう。





そうだよね…。



じゃないと、あんなにも怒ったりしないよね。



どうでもいいヤツの事なんて怒ったりしないよね。



特にホスト教師みたいなヤツは、他人の事なんて無頓着っぼいのにさ、そんなヤツがオレのために怒ったんだもん。



…本当に彼はオレを心配してたんだ。




去り際に言った携帯電話の事。



確かにオレは誰とも会話したくなかったから、邪魔な携帯は電源を切っていた。



そうでもしないと、弱いオレは誰かに助けを求めてしまうとわかっていたから。



だから、敢えて電源を切っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る