第89話
「おい、聞いてんだろ。…てめぇ、昨日までどこにいやがった?」
逃げ場がなくて、オレはホスト教師を見つつ立ち尽くしていた。
どう言えば…いい?
カラスさんの所にいたって?
いや、言えないよ。
カラスさんの事は…言えない。
いや、言いたくない。
“私”とカラスさんの関係は言いたくなかった。
誰にも知られたくない。
だから、頑なに口を開かないと決めた。
ホスト教師は答えないオレに口端をギュッと噛んだ後に、悔しそうにバッと離れた。
離れてくれた事に関して、安心したオレは一息ついた。
そして、この場に重苦しい空気が流れそうになった時……
「言いたくねぇなら…携帯の電源くらい入れとけ。馬鹿野郎。」
そう言った後に玄関から出て行った。
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