第5話
先程のこともあって、恐る恐る画面を見る。
相手の名前を見て、急いで電話に出た。
『もしも…』
「お前、何してんだ。俺の電話には3コール以内に出ろって言ってただろ?」
『……何?』
いきなり俺様発言をかます男。
俺様ツンデレと言う、なんとも面倒くさい奴。
「俺以外誰がいるんだ?あ“?」
『ああ、そうだね。』
「着いたら俺に一番に連絡するって言ってたくせに、嘘ついたのか?」
『いや、まだ誰にも連絡してない。だから、一番だよ。』
だって、寝ちゃったんだもん。
私の言葉を聞くと、ゴニョゴニョと何か言っているが、声が小さすぎて全く聞こえない。
『あ?言いたいことあるならはっきり言え。』
「……ジョンさんたちが心配してたぞ。後で連絡入れとけよ。」
『ああ、分かった。ありがとう。』
「お前はお前らしく過ごせ。」
『ははっ……ありがとう。あのさ、』
「じゃあな。」
『っ!ちょっ!』
最後のは、ツンデレなアイツの激励だったのだろう。
可愛いやつめ。
電話が切れて、待受画面をぼーっと眺める。
聞きたかったことは、言う前に切られてしまった。
楽しいはずの里帰りに、ずっと小骨が喉に刺さった状態だ。
『駄目だなー。』
また自己嫌悪に陥る前に気分を変えよう。
お風呂道具を持って風呂場に向かうと、そのあまりの広さに感嘆の声が漏れる。
ゆっくりと湯船に浸かって、湯気をぼーっと見つめる。
こんなに気抜いている時間は、いつぶりだ。
逆上せそうになって、お風呂から出て髪を乾かすと裸体のままベッドに潜り込む。
目を瞑ると、逃げるように暗い闇に溺れていく。
───
─
もう太陽が沈んでいたが、30分で目が覚めた。
さっきの昼寝は一週間ぶりの睡眠だった。
二時間……不眠症でこれでも少し寝れるようになった。
人がいないからから、寝れたのかもしれない。
大きく伸びをしながら欠伸をして、ボキボキと首を鳴らす。
『……甘いものが食べたい。』
ベッドから起き上がってお腹がなった瞬間、ふと私の頭の中を甘いものが独占し始める。
たまに、こんな感じで甘いものが食べたくなるんだよね。
いつもなら、趣味のお菓子作りで食べたいものを作るのだが、今日はそんな気力はない。
確か、近くにコンビニがあったな……。
『……行くか。』
コンビニもスーパーも来る時に見かけた。
ここからそう遠くない。
ジーパンと半袖のTシャツに着替えて、パーカーを羽織る。
そのまま家を出て、コンビニへと向かう。
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