epilogue

第1話

雨が、降っている。



先程まで降っていなかったのに、いつの間に振り始めたのだろう?



冷たい、雨。



強く降り始めた所為か、顔に当たっている雨が少しだけ……ううん、痛くない。




それよりも、冷たいはずの雨がどうしてか……温かい気がしてならない。



ううん、冷たいのもあるけど、温かいのもある。




―――…これは、何?



俺はゆっくりと焦点を合わせるようにして、そこにいる“何か”を見つめるとそこにいたのは……。







「だい、き…っ!!!」



蘭勝、だった。



ああ、この温かいものは君の涙だったんだね。



……どうして、そんな風に俺の名前を呼ぶんだ?



どうして、泣いているんだ?

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