第143話

指輪がずらりと並んでいるお店に入ったのは、これが初めてだった。



……まあ、何回も来ていたら怖いけど。





―――…最初は、砦と来たかったなー。



そう思ってしまうことは、いけないことかしら?




「花子。」



いきなりその名前で呼ばれたことに驚いて、少し変な声を上げそうになるのを抑えた。



……紗綾って、呼ぶんだと思ってた。





「えっと、何か?」



「お前、大きさは?」



「……多分、8か9くらいだと思いますけど?」



そう答えると、彼は私の腕を掴んで指の大きさを目で確かめる。



……まさかそんなことをされると思っていなかったので、驚いて彼を見つめてしまう。

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