第104話

思っていることだが、口に出さないのが彼の賢いところである。



協は抗うつもりはなく、そこに立ったまま彼の要望を聞くことにした。



……何ともまあ、報われない男だ。




「何っすか?」



「―――…『赤い薔薇』は滞りなく、水島瓜の手に渡ったのかあ?」



「………っ!?」



まさか、この男っ!!



協は彼の方に目を向けて、目を見開く。



……そのニヤリとした表情を見ただけで、全てを理解した。






「蘭サン、アンタ……、まさか分かってて見過ごしたんっすか?」



「俺を誰だと思ってんだあ?……大稀の親友だぞ。」



「……俺、蘭サンが何を考えてるのか分かんねえです。」



「分かってもらわなくて結構だ。」

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