第29話

私はバッグを持って職員室を出て、玄関を出る直前に携帯を確認しておく。



……あれ?



着信が入っていたようで、私は少しだけ意外に思う。



電話なんてかける相手もいなければ、かけられる相手もいない。



誰だろう?





砦、かな?



淡い期待を抱いてしまうのは恋をしている証なのかもしれないけど、携帯を開いて相手を確認するとそれも期待で終わってしまった。




というか、涼から着信?



弟から着信が来るのはいつ振りだろうか?



嫌な予感はしなくもないが、ここで無視するわけにもいかないので、私は掛けなおすことにした。








数秒後に、彼は通話に応じてくれる。




『紗綾姉?』

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