第82話

何かの間違いではないかと思ったが、トモが入ってきたドアから姿を現したヤツに……俺達は息を呑んだ。



そこには確かに、彼がいる。









「お久しぶり。……景親。」



大稀の瞳には俺しか入っていなくて、俺の視界にも大稀しか入っていない。



――…帰って、きた?



本当に?





全く信じられなくて、俺は手を震わせる。



彼に駆け寄ることもできない。







……嬉しいはずなのに、この微妙な感情は何だろう?



あの生易しい彼の笑顔を見て、どこかで違和感を感じるのは何故?




「お、おい……、お前キラか?」



「……正しくは、大稀だけどね。」



「本当かよ?……何っつーか、本当か?」



信じられない顔をして大稀に近づく輩にも、俺は納得してしまう。

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