第32話

目を覚ました時、大稀はずっとある男に怒鳴りつけていた。



その声に俺は飛び起きたのだ。





「どけや!!俺は紗綾を助けに行かなきゃなんねえんだよ!!」



「君が行って、どうにかなる問題でもないだろう?」



「うっせええ!!さっさとどけ!!」




大稀は、怒っていた。



あの時と、同じくらい。





俺は小学校に上がってからひ弱だった所為か、よくいじめられていた。



そんなところに遭遇した大稀がよく助けてくれて、彼は俺のヒーローだった。



……その時、俺のために怒ってくれた時と同じくらい怒っている。





ううん、もっと怒っているかもしれない。




「この『塵山』に入れられたってことは、もう君は社会的に抹殺されてるってことだよ。……外に出てはいけない。」



「意味分かんねえこと言ってんじゃねえ!!」

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