第5話

「兄貴…」



砦は車から出てきたランカさんを睨みつけて、私をギュッとさらに抱きしめる。



……どうしたらいいのか、分からない。





「よお、花子。無事で何よりだ。」



「……ありがとうございます。」



「協に連絡した甲斐はあったようだな。」



どうやら私の危険を察知したのはランカさんだったようで、四谷さんに連絡を入れてくれたようだ。



彼はどうしてそこまでして……私を助けようとしてくれるんだろう?




「助かった、悪かったな。兄貴。」



「お前に礼を言われる筋合いはねえぞ、砦。」



「あ?」



「―――…俺はお前を助けたつもりはねえからな。」



「………」



ランカさんと砦は静かに睨み合っていて、その間に私が入る間隔なんてない。

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