第35話
ランカさんはさらに険しい表情になるけれど、四谷さんはふと笑うだけ。
懐かしそうに何かを思い巡らしているのか、どこか遠くを見つめる彼はいつもより表情が柔らかい。
……彼も兄に、大稀さんに会って彼を愛してくれた人なのだろうか?
複雑な気分になって視線を投げると、四谷さんは呟く。
「……大稀さんと知り合ったのは、俺がまだ『飛車』の一員だった時だ。」
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