第15話

バッドをお腹に振り下ろされたその人は呻くように、その部分を抑えている。



―――…四谷さんの表情は、見えない。







「おい、クズ。今は『取り込み中』だって情報流しておいてやったろ?隙をついて、俺らの首でも獲ろうってクチか?」



彼の表情が見えるわけでもなければ、何か怖いことを口にしているわけでもない。



なのに、どうしてこんなにも彼のことが怖いと思ってしまうのだろう。









「身の程を知れ、カスが。」



そしてもう一度、さらに同じ場所にバッドを振り上げた。



鈍い音が、その場に鳴り響く。



私は声を出さないよう口を抑えることしかできなくて、体全体が震え始めている。



―――…怖くて、動けない。

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