第21話
この古いゲームを再現させたマンションなのか
このマンションをモデルにしたゲームなのか
いずれにしろ
会場調査の意図が分かってきた
ゲームは制作段階であり
よりリアルに再現する為に
被験者を募っての
行動パターンのデータ採取といったところか
なんてタチの悪い心理テストなのだろう
事前説明もなく
何処かの個室からリアルタイムで
観察されているのだ
調査目的を推測出来た以上
もう何が来ても怖くはない
危険がないので
気楽にキーボードを叩いてゲームを操作してみた
メロディーが変わり
ゲームのエレベーターから人型プレイヤーが登場し
とりあえず色々なボタンを押して
何が出来るのか試す
プレイヤーは勝手に動いていた
コントロールが効かないので
全く操作不能
これではゲームにならない
キーボードと連動しないのは
プログラムが未完成だからなのか
監視カメラのパソコン画面に
先程録画された
数時間前の私の行動が映っていた
狼狽えている姿がとても恥ずかしい
私がこの部屋の前に来て
恐る恐るインターホンを鳴らそうとしていた
運営側も期待通りの反応で大変満足してるに違いない
とても格好悪くて見てられない
偶然にも現実でも
同じタイミングで
インターホンの音が部屋に響いた
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