第1話
JR新宿駅東口を出た私は
人混み絶えない通りを
小走りで進んでいた
ビル上空から照りつける日差しが
汗を分泌させ
薄い上着を何度も手ではたく
ワイシャツ姿の会社員が並ぶ
飲食店から
ハンバーグの香りが漂い
足を止める衝動に駆られるも
今回のアンケート調査のバイトが終わったら
報酬ポイントでゆっくり
味わおうと考え直す
車が激しい交差点で
長い事待たされる間
採用メールと会場住所をもう一度確認する
アンケート調査の概要は
記載されていない
事前アンケートメールでも
雑な質問が多かったので
私を含めた当選者の
年齢、性別、容姿や素性など
対象者は
きっと誰でも良く
どうでもいい調査なのだろう
位置アプリは大幅にずれていた
これ程
密集した都市ではGPSが位置を特定するのに
時間がかかってしまうようだ
ようやく車が止まると
大勢の歩行者に溶け込むように
一緒に横断歩道を渡る
向かいのアーケード通りに入ると
電車内で暗記しておいた経路通り
狭い路地裏に入り
密集して並ぶ雑居ビルの
だいぶ奥へと進んだ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます