第1話
「であえーーーであえーーであえーーー!」
眼下の暗闇にはボゥボゥと朱く灯される松明の群れ
そこら中でドンドンと鳴らされる野太い太鼓の音や、耳をつんざく鋭い警笛の音
無数の赤赤と動き回る揺れる火の波は、まるでこの国の王家を守護するという伝説の聖獣ドラゴンの履く吐息のようだ
「チッッ全く
〜今回はしくじったわね」
何時もはこんな風では無いと、暗闇に潜む人物は仕方なさそうに首をすくめる
「さてと」
巨木の木の枝に密やかに隠れるポンチョを着込んだ細身の少女は、腰にぶら下げたロープの束を器用に解す
先端には鋭い五本の鋼鉄製の
慣れた手つきでヒュンヒュンと円形に回し始めた
最初は遅くゆっくり
次第に早く
ギュンギュン高速回転後
「はァッッ!」
ロープはスルスルと放物線を描き、随分離れた塔のテラスの石材に引っかかる
「よし!!」
少女ーーー
夜目にもそれは美しい、スラリ身のこなしが機敏な少女は名前をレダといった
私腹を肥やす悪党より金品を奪う、身寄りの無い子どもを中心に結成された盗賊団のリーダーである
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