第七章 縮む距離

第72話

「お父様、おかえりなさい」


「お、カルティナ。 どうだった?三人との食事会は?」


 その日の夜、帰ってきたお父様はわたしにそう話しかけてくる。


「ええ、楽しかったわ。みんなとても美味しそうに食べてくれたし」


「そうか。良かったな」


「はい。 お父様のおかげです、ありがとう」


 お父様にお礼を伝えたわたしは「あ、そうだわ!お父様の分もチーズケーキも用意したの。良かったら食べてね」とさらに伝えた。


「チーズケーキ? カルティナが作ったのか?」


「そうよ。マロミさんから作り方を教わったの」


 お父様はわたしのその言葉に「そうか。カルティナが作ったのか……。ではいただこうかな」と嬉しそうに話した。


「食べて。すごく美味しいのよ、マロミさんのチーズケーキ。 あの三人にも好評だったのよ?みんなも美味しいと食べてくれたの」


「それは良かった。 じゃあチーズケーキ、持ってきてもらうか」


「じゃあわたしが持っていってあげるわ」


「おお、そうか」


 わたしはキッチンに行き、冷蔵庫から残っていたチーズケーキを取り出し、紅茶を淹れてお父様の部屋に運んだ。

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