第64話

◇ ◇ ◇




「初めてにしては、上出来じゃないかな……?」


「上出来です。 これならきっと、婚約者様も喜んでくれること、間違いないですよ?」


 出来上がったチーズケーキの出来栄えを見て、マロミさんは褒めてくれた。


「本当に? 美味しいといいのだけど」


「これは美味しいに決まってます。だって冷凍庫で冷やすだけで出来る、簡単チーズケーキですよ? 焼かないので焦げたりもしないですし、味は失敗しませんよ」


「だ、だよね」

 

 普通に作るチーズケーキなんて、多分わたしには無理だと思う。 絶対に焦がしてしまう自信しかないもの……。

 こんなに簡単なチーズケーキが作れるレシピを知っているなんて、さすがマロミさんね。 


「大丈夫です。味はわたしが保証しますので」


「う、うん。ありがとう、マロミさん」


 チーズケーキが完成した頃には、マロミさんが作ってくれた料理もほぼ完成を迎えていた。


「マロミさん、どれも美味しそうね!」


「婚約者様方にも、お気に召して頂けると嬉しいのですけど」


 マロミさんの料理はどれも美味しいから、喜んでもらえるはず。 わたしが保証するわ!

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