第62話

「あ、ありがとうマロミさん」


「ではチーズケーキ、一緒に作ってみますか?」


「え、いいの?」


「はい。やってみましょう、姫」


 わたしはマロミさんに教わりながら、カルナさんの好きなチーズケーキ作りに挑戦することにした。 

 でも誰かのためにケーキを作るなんて初めてで、ちょっと緊張していた。


「姫でも簡単に作れる、美味しいチーズケーキを作りましょう」


「よ、よろしくお願いします」


 こんなわたしにも、上手く出来るかな? ちょっと、不安だな……。


「ではまず、クッキーをこの袋に入れて、これで叩いてください」


「叩くの?……えっと、こんな感じ?」 


 実際にやってみるけど、なんとなくのイメージしかない。


「そうです。お上手ですね、姫」


「そ、そうかな?」


「その調子です。 少し粗めで大丈夫ですよ」


 粗めというのがどんな感じかよく分からないけど、こんな感じなのかな?


「マロミさん、こんな感じ?」


「うん、上出来ですよ姫! そのくらいで大丈夫です」


 よ、良かった。 わたし不器用だから、ちゃんと出来るか不安でしかない。


「そしたら次にーーー」

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