第六章 王子様との食事会

第60話

そして間もなくして、食事会の日がやってきた。


「マロミさん、例のものは買ってきてくれた?」


「もちろんでごさいます。 ちゃんと買ってきましたよ。 姫の仰っていたものは、こちらですよね?」


 マロミさんが見せてくれた箱の中を確認した私。


「うん、これよ。間違いないわ。 ありがとう、マロミさん」


「いえ。 さ、食事会の準備を始めますね」


「あ、なら私も手伝うわ」


 マロミさんと一緒に、食事会の準備を始める。


「今日は天気もいいし、食事会日和ですね」


「そうだね。本当に」


 みんな喜んでくれるかな……。 


「姫の婚約者様が来られるということで、わたしも楽しみにしてたんですよ」


「え、そうなの?」


 マロミさんはなんだか、嬉しそうだった。


「姫の婚約者様がどんな人たちなのか、興味がありますので」


「だ、だよね……」


 そりゃあ気になるに決まってるよね、だって婚約者だもん。


「婚約者様はかなりのイケメン王子様、とレイジ様から聞いておりますよ?」


「あ、まあ……そうなのかな?」


「あら、羨ましい限りですね?」

 

 マロミさんは微笑んでいた。

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