第58話

「あっ、マロミさん。わたしマロミさんにね、お願いがあるの」


「お願い、ですか?」


「うん。食事会の当日にね、買ってきて欲しいものがあるの」


 わたしは当日、マロミさんに買ってきて欲しいものがあったので、買ってきてくれるように頼みこんだ。


「うん、あのねーーー」

  

「……なるほど、分かりました。当日それを人数分買っておけばいいのですね?」


「うん。お願いしてもいい?」


「もちろん、お安い御用です。カルティナ様の頼みですから」


 マロミさんは、わたしのお願いを快く引き受けたくれた。


「本当に?ありがとう、マロミさん!」


「気になさらないでください。婚約者様との大事な食事会ですから。 必要なものとあらば、しっかりとご用意させていただきます」


「本当にありがとう、マロミさん」


 マロミさんがいてくれて本当に良かった。


 当日はすごくわたし自身も、楽しみにしているの。

 普段はお父様と二人で食事をしているし、二人でも充分に美味しいけれど、やっぱりみんなで食べた方がもっと美味しく感じると思うから。


「ではわたしは食器の片付けが終わったら、帰ります」

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