第五章 一回目のデートを終えて

第46話

「ここです。ミートパイの美味しいお店」


「ここですか。雰囲気いいですね」


「はい。ミートパイ以外にも、何でも美味しいですよ?」


 降りたバス停から五分程歩いた所にあるお店に着いたわたしたちは、お店の中に入った。


「こんにちは、カルティナ姫。今日も美しいですね」


 お店に入るとよくいる店員さんから、そう言われる。


「ありがとうございます。……あ、あの、ミートパイを二つください」とわたしは伝えた。


「ミートパイですね、かしこまりました。 空いているお席にお座り頂いて、お待ちください」


「はい」


 わたしとアレンさんは、空いている席に向き合うようにして座った。


「楽しみです、ミートパイ」


「お口に合えば、いいんですけど」


「カルティナ姫のオススメなら、間違いないと思ってますよ?」


 そう言ってくれるアレンさんは、本当に優しい。

 アレンさんみたいな人と結婚したとしたら、わたしは一体どんな結婚生活になるのだろうか。……なんて想像してしまう。


「アレンさんは……。その、わたしと結婚しても後悔しませんか?」


「え? なんですか?急に」


 アレンさんは困惑したような表情をする。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る