第36話

その二日後ーーー。


 

「カルティナ、気をつけて行くんだぞ」


「分かっているわ、お父様。……じゃあ、行ってきます」


 わたしはアレンさんとの待ち合わせ場所に向かうため、屋敷を出た。


「……ん? あれってアレンさん……だよね?」


 屋敷を出てすぐ門の前を通ると、なぜかそこにアレンがいた。


「カルティナ姫、こんにちは」


「え、何でアレンさんがここに……?」


 やっぱりアレンさんだ。 そのピンク色の髪ですぐにアレンさんだと分かった。


「姫に会うのが待ちきれなくて、迎えに来てしまいました」


 アレンさんはわたしに、爽やかな笑顔を向けた。


「あ、ありがとう……ございます?」


 で……。い、いいのかな?


「さあカルティナ姫、行きましょうか」


「は、はいっ」


 アレンさんはわたしの右手を取ると、エスコートしながら歩き出した。


「カルティナ姫、今日の服とても可愛いですね。とても似合っています」


「あ、ありがとうございます……」


 アレンさんのそのピンク色のフワッとした髪が、風でフワッと揺れる。

 そしてわたしの髪も、風で大きく揺れている。

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