第65話

私の舌を絡めとり唾液を啜る音が聞こえた。



「はぁ……………」


「舌の絡め方覚えたか?」



パーカー男は凄く満足そうな顔で私を見る。



「何すんのよ」



「やっぱ、攻めに弱っ。抵抗しねぇの?あぁ。分からないのか?やっぱ、好都合だ」



私って駄目だ。


確かに攻めに弱い。


今、はっきりした。


なんで、抵抗しないの?


約束したはずなのに。


なぜ、こうなった?


どこから、私は間違った?


おかしい。


近付いてる。


逃げようとするとパーカー男がすぐに捕まえるだろう。


そんな感じだ。



「やっぱ、胸でけぇな。揉み心地はどうだろうな?俺、柔らかいのが好きだ。硬いのは好みじゃない」



探っていたって何?


理解ができない。


柚月達でさえ、分からない相手だ。


私が分かるはずがない。


どうする?


どうしたらいいの?


もう、お父さん達に言うべき?


……………。


ホテルでの会話が駄目だった?


えっと。


何が?


考えても分からない。

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