第37話

あの子のトレーに乗っている料理はまだたくさんある。


そして、追加されるであろうデザート。


本当に大食いだ。


あの子の胃はどうなっているのかな。



「あぁ。いたいた」



………………………。



パーカーを着ていてフードを深く被る男……………………


パーカー男しかいないよねぇ。



「…………何?」



パーカー男は私の隣にドカッと座る。


隣のテーブルに座っている人達が慌てて逃げて行くのが分かった。


まだ、全部食べていなかっただろうに。


関わるのが凄く嫌なんだろうな。


面倒なことになりそうだし。



「今日の予定。体験」



「体験?」



「きりたんぽ」



あぁ。


名物ね。


きりたんぽ。



「ねぇ?」



「あ゙っ?」



「さっきから、並木先生の視線を感じるけど?」



「…………抱いたから?癖になったんじゃね?」



平然としてるのね。


そっちの方面の人なの?



「そう。抱いたのね」



「あぁ。抱いた」



「…………」



「…………」



………………………。



「椎名ちゃん。なんか、凄いね。椎名ちゃんは凄いよ」



席から少し離れて立っているのはイチゴとメロンとリンゴを持っている白井だった。

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