第32話

「無理」



『だと思った。でも、声聞くだけでもいいんじゃん?目を閉じて』



お父さんの言葉に、目を閉じる。



『そのまま話そう?そのうち眠れるでしょ』



「……………うん。人肌がないけどね」



『大丈夫』



「さっき、柚月から話を聞いたの。兄達が私を探してるって」



『……………』



「本当なの?」



『うん。余計なこと言ったもんだ。黙っていればいいのに。どうせ、気づいているならさ。その騒ぎもそのうちなくなるから。大丈夫だよ。裏もその3人は相手にしてないし』



「うん。あのね、柚月も普通に暮らしていればいいって」



『うん。そうだね。確かに普通に暮らせばいい』



不思議だ。


お父さんに話すとすんなり受け入れられる。


お父さんが大丈夫と言えばきっと大丈夫。



「うん。ねぇ?私、今日変なものを見た」



『何?』



「男と男の営み」



『…………それは強烈だね』



「並木先生が襲われていたの」



『いいね!それ!最高!最後までヤられたの?』



「さぁ?最後まで見てないもん」



『楽しみだなぁ。男に抱かれると癖になる人もいるみたいだから』



「…………………ナイフ投げたけど」

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