第16話

「なんかさぁ?椎名さんとビビリ君って、案外いいコンビになるんじゃないかな?」



「はぁ?」



「無関心と無気力。いいんじゃない?」



「意味が分からない」



「一緒の行動になったみたいだけど」



「えぇ。めんどくさい」



「ビビリ君は、親に逆らえないからね」



「怖いの?」



「そうなんじゃない?今日の夜空いてる?」



「だから、嫌だって。何度言ったら分かるの?」



「何度でも言う。これは、俺個人だから」



個人?


…………。


裏のこと?



「私には、関係ないから」



「分かった。分かった」



何?


その言い方。


柚月は、ニコッと微笑んでから座った。


なんか、嫌な予感しかしない。


裏のことで話があるのは危ない。


私には、関係ない。


また、厄介なことには巻き込まれたくないもの。


それから、バスは順調に走り泊まるホテルに着いた。

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