第3話

1台目に着くと、並木先生が出席簿を持ってバスの乗り降り付近にいた。



「椎名。おはようさん。お前、最後だぞ。つーか!ギリギリ!」



しょうがないじゃん。


二人が、なかなか離してくれなかったんだもの。



「荷物は、下に入れておけよ?あと、残念な知らせだ。椎名の相手が来た。どうやら、親に怒られたみたいだなぁ」



…………。


相手?


教室にいなかった人が?



荷物を預けてバスに乗る。


どうやら、本当に全員いるみたいだ。


奥に進むとニコニコ顔の智子と目が合った。



「椎名ちゃん!おはよう!休みなのかと思ったよ!」



朝から見るにはちょっとキツイのよね。


彼女の笑顔って…………


少し目線を隣に向ければ、柚月が座っていた。


まぁ、お決まりだ。



柚月のグループは1班だ。


私は、最後の10班。


席も、後ろになるが…………………


なぜ、後ろの方に柚月達がいるのだろう。


なぜ、私が座る席の向かいの席には雪と洋一が座っているのだろう。


なぜ、私が座る前の席に柚月と智子がいるのだろう。

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