第34話

何が、なるほどなの?



「誠也は、優しい?」



「はい。とても」



「へ~ぇ。あの冷たい男がねぇ。誠也は、変わった奴でさ。あんまり人と関わるの、好きじゃないんだよ。なのに、喫茶店でしょ?あと、本職も人と関わるし。馬鹿だよねぇ。もっと、違う仕事あったと思うのに」



本職?



「あれでも、いい子になったんだよ?初めて見た時は、驚いたね。人を、殺すオーラ出てたし」



「殺す?」



「うん。誠也は、一匹狼だから」



「狼?」



「そっ!暴れ狼。あれは、酷かったよ。悟に会わなかったら務所行きだね」



そんなに…………………………



「博。お前、何話てんだよ?誠也に、怒られるぞ」



明るめの茶髪の男が、垂れ目の男の肩に腕をかける。



「なんだ、猛か。だってさぁ。言いたいじゃん。誠也のこと」



「あ~っ。まぁな。でも、ペラペラ喋らないほうがいいぞ。誠也に、殴られる」



「あはは。自分で、話すはずだもんね。じゃぁ、俺達のこと話す?これから、長い付き合いになると思うし」

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