プロローグ

第1話

────どうか、私の息が聞こえませんように。

必死に口元を手のひらで抑え、〝気づくな気づくな〟と神様にそう願った。




「綾のやつ、出てくるって?」



どうか、神様。



「はい」



気づきませんように……。



「お前は嬉しいだろうな。やっとお友達が帰ってきて」


「そうでもありません、あいつはもう人間以下です。薬に溺れるなんて……」


「そうか、じゃあ俺が玩具にしてもいいのか」


「俺には関係のない話ですから」


「分かってるぞ?お前のことは。関係ないって言えば手を出されないと思っている」


「では手を出さないで下さい、そういえば満足ですか?」




亜貴さん……わたし、

気づかれたら殺されちゃうの?




「この世界、自分よりも大事なものを作らない方がいいぞ?」


「……」


「まあお前に、そんなものはねぇって、信じてるよ」


「ないですよ……そんなもの」




亜貴さん……──

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