第88話

―――⋯⋯うつ伏せになっている私の肩に、ルイの唇がふってくる。



私の部屋で、私のベットで。

裸の私に唇を寄せるルイは「奈都の背中、綺麗⋯かわいい」と、静かに下へと移動する。



「この細い腰も⋯、」


「柔らかいおしりも⋯」


「折れそうな腕も⋯」


「指も⋯」


「爪も」



上向きにしたルイは、それを続ける。



「綺麗な鎖骨も⋯」


「胸も、」



ルイくん、と、声を出した。

キスをしたり、舐めたり、体全身にそれを繰り返す行動に、息が、もれる。



「そう、その声⋯」


「ルイ⋯くん」


「かわいい、なんでそんな可愛いの?奈都の全部がかわいい⋯。全部⋯」


「っ⋯」


「この頬も、目も、いい匂いする髪も全部、俺の⋯」



俺の。




「俺の奈都は、ほんとうにかわいい⋯」

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