異変

第86話

ルイは5箇所、噛み跡を残した。


体の至る所には青くなった痣。

沢山つけられたキスマークは、服を着ても見えるほどつけられた。


まるで、ルイの存在が体を包むように。




登校も一緒。

帰宅も一緒。


土日も一緒に遊ぶか、どちらかの家に行くか。



学校の中、街の中、家の中。

誰が見てもどこにいても何時でも。

私を抱きしめたりキスをしてきたりするルイは、何かと私にふれてくる。



私がルイにデレデレなはずなのに、まるでルイの方が私にデレデレになっているように見えるソレは―――⋯



「ねぇ、ルイくん最近やばくない? 奈都にひっつきすぎじゃない?ちょっとおかしいよ」




他人の目からしてみれば、おかしいらしく。

でもその事をよく分からない私は首を傾げた。



「奈都、気づいてる?こうして私と喋るのも久しぶりなんだよ?」



そういえば⋯。

休み時間になればほぼ毎回ルイは私に会いに来てくれてた。私はそれが嬉しくて、向かい合うように「かわいいね」と私の腰に腕を回すルイに釘付けだった。


⋯今はルイが次体育の時間だから来てないけど。

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