第64話

ゴクリ、と、それを飲み込んだ。


喉が、イガイガする。



それで満足したらしいヒカルは、私の手首のネクタイを解放し、「またね、なっちゃん」と、私に向かって手をふってくる。



横にずれていた下着が、元の位置に戻った。





「死ねっ、クズ!!」





私は叫び、走って図書室を出た。


犯された。ヒカルに犯された。ありえない。レイプと変わらない。なんでどうして?

私がルイと別れなかったから?どうしてっ⋯。





私は、トイレに向かい、喉の奥へと指を入れ、吐いた。



無理矢理嘔吐をしたせいで、苦しくて涙が出た。





「しね、しね、⋯絶対、許さないから⋯」








深すぎる愛は、いったい、いつから始まっていたのか⋯。


それも、今の私には分からない

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