第42話

「⋯俺の手?」


「え? う、うん、あれ、これ手じゃないの?」


「ううん、俺の手」



後ろでルイの笑う気配がする。




「あ、あの、ルイくん」


「奈都」


「は、はい」


「俺以外、見ちゃだめだよ」


「ルイくん⋯」


「もし、今度、窓の外見れば⋯」


―――この目、取っちゃうからね?





ルイの綺麗な指先が、私のまつ毛にふれた⋯、と、思ったら、目から頬へと移動されたルイの手のひら。



そんな手のひらは、私の顔を上へとあげ。



顔を覗き込むように、今日もかっこいいルイが、私を見下ろしてくる。




「奈都は俺だけ見てればいいよ」




も、しかしてと思った。

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