第26話

「別れた方がいいって言ってるのに」



すっごくすっごく幸せな私に意地悪を言ってくるのは、ルイに似た弟だ。


今日、普通科のルイのクラスが少し遅れているらしく、私は下足場でルイのことを待っていた。



珍しく隣に女がいないその男は、やれやれ⋯という雰囲気が出ていて。



「もう、話しかけないでよ」



私は、ふいっと、ヒカルから顔を背けた。




「なっちゃんのためだよ?」


「やめて」


「後悔するよ」


「今すっごく幸せだから。絶対しない」




私の言葉に、ヒカルはクスクスと笑った。




「いずれ、分かるよ」

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