第27話

そう言った彼は、当たり前のように私の髪にふれてきた。

その動作がすごく自然で、はっとした私は素早くヒカルから距離をとる。




「なにするのっ」



私は大きな声を出し、さわられた自分の髪をおさえた。




「なっちゃんって、ツンデレなの?」



そんなヒカルは、意地悪そうに笑って聞いてくる。



「はあ?」


「あいつにはすごくデレデレしてんのに、俺にはツンツンばっか」


「はあ?ってか、さわらないでよ」


「ほら、そういうとこ」


「なんなのっ、もう!早く帰れば!?」


「ほんとなっちゃんって、弄りがいがあるよね。笑える」


「はあ?」



馬鹿にして!

ほんとこいつ、嫌い!


ルイと全然違うし!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る