甘彼

第21話

「奈都、帰るよ」




私だけを見てくれると言った彼は、にこりと笑いながら私の教室まで迎えに来てくれる。


隣に女を置くことも一切やめたらしく、ルイは時間があれば休み時間さえも私に会いに来てくれた。



そんなルイに女が話しかければ、ルイは返事する、わけでもなく。綺麗な顔を全く崩さず、無表情で無視をして。


ルイに女が腕を組もうというのなら、綺麗な目を細め「さわんないでくれない?」と、鋭く睨みつけていた。




一夜の間に、ルイの豹変ぶりには驚いたのは、私だけじゃない。



遊んでいた女も。

ルイの友達らしい男も。



先生からも。



というかルイのことを知っている人全員から、


どうして?という目が向けられた。

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