第7話

「―――だれ待ち?」



分かってるくせに。この男は本当に意地悪だ。


女と腕を組みながら、私を見下し面白そうに笑う。

放課後の下足場で彼を待っている時、毎回毎回別の女を連れて現れる。



柔らかいブラウンの髪に、彼よりも透き通った薄茶色の瞳を持つ男。

それに加えて、マネキンのような白い肌に整った顔。日本人離れしたその男の顔は彼によく似ている。




「彼氏」



私がそう言うと、ふっと、鼻で笑ってくるから。見上げるように睨みつける。




「ねぇ、ヒカル。行こうよ」



男の横にいるすごく可愛い女が、ヒカルと呼ばれた男の腕をひく。




「はいはい、―――なっちゃん、ルイ、さっき女といたよ?今日はもう帰ったら?」




わざわざ私に教えてくれる、彼の弟。


本当に、この人は意地悪だ。

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