第98話
お母さんと何かを話しているような声も微かに聞こえてきた。
クソ豚野郎…
でもどうしたものか、いつもはすぐに始まるあの行為の声は一向に聞こえてこなかった。
あれ?
…まぁいいや。
聞こえてくる前に布団に入って耳を塞いでおこう。
そう思って私が布団に潜り込んだ瞬間、トン、トン、と遠ざかる足音とともに玄関の開け閉めされる音が聞こえてきた。
「えっ…?」
私は驚いて、思わず頭までかぶっていた布団をめくって体を起こすと戸の方に目をやった。
帰った…?
まだ何もしてないのに…それじゃあ一体あの男、何しに———…
そう思った瞬間、
———シュッ!!
私が見ていた目の前の戸がまた勢いよく開いた。
「…っ!」
そこに立っていたのは、帰ったんだとばかり思っていた男だった。
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