第2話

両親の元へ帰ろうにも、

勢いで出てきてしまったのに加えて

ここは見知らぬ土地。


帰り方すらも分かりません。




もう同情するレベルのバカです。



働いたこともないこの少女が、

赤ん坊を抱えて生きていく術なんて

知るわけもありません。



まさに“子供が子供を産んだ状態”です。




少女は狂いました。




どうすればいいかも分からず、

お腹が空いたと泣く娘を

殴って黙らせようとしました。


泣き声が鬱陶しくて、

布団を顔に押し付けたこともありました。



もういっそ娘を連れて心中でもすればいいものを、

この少女はバカな上に貪欲だったのでしょう。



どうにか生き延びるためにお金を稼ごうと、

無い頭を使って考えました。



私に、何ができるのか…



そこで思いついたのが、体を売ることでした。



このバカな少女の考えそうなことです。



ですが運がいいのか悪いのか、



その点において、

若さはこの少女にとって

これ以上ないほどの武器になりました。



お金を払ってでも若い女を抱きたいという飢えた男は

この世界には腐るほどいるようです。




そんなこんなで、

このバカな少女はなんとか現在まで

生きながらえてしまったのです。



まったく、しぶとい女です。





———…そんな女を母親に持つ私が、

真っ当な人生なんて送れるわけがありません。

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