第1話

昔々、あるところに

なんともおバカな少女が一人おりました。



どこまでもおバカなその少女は、

中学生であるにもかかわらず

両親ともさほど歳の変わらない男性に恋をしました。



類は友を呼ぶとはよく言ったもので、

その男もまた大バカ者だったのでしょう。


二人は何故か惹かれ合い、

生涯を共にしたいと強く思ってしまったのです。



でも、そんなただの一時の感情の盛り上がりを、

少女の両親が許すわけはありません。



それでも止まらない二人は、

なんと勢いに任せて駆け落ちさながら

その街を出てしまったのです。




はぁ、…


本当にこの少女はどこまでバカなんでしょう。




やがて二人の間には女の子が生まれました。




ですが、少女は少女。


子供を産んだのは十六の時でした。


相手は二回りほど年の差のある大人の男。




幸せはそう長くは続きませんでした。



男はある日、

その少女と娘を捨てて別の女のところへ行きました。


少女は娘を抱えて泣きました。

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