第2話
———…ピピピピッピピピピッピピピピッ…
けたたましく鳴り響いたその音に、私はベッドの中で思わず眉間にシワを寄せた。
「ん…」
うるさっ…
———…ピピピピッピピピピッピピピピッ…
毎朝聞くこの音が私は大っ嫌いだ。
でも、セットせずにはいられない。
なのに嫌いで仕方ない。
嫌いなのにセットする理由なんて一つしかない。
だって起きられないと困るから…
それなのに、迷いはすぐにやってくる。
———…ピピピピッピッ……
「……」
ベッド横のサイドテーブルに置いていた目覚まし時計に布団の中から手を伸ばしてその音を止めると、私はそのままじっと動かずに眉間に入れていた力をゆっくり少しずつ抜いていった。
まだ寝たい…
起きなきゃ…
でも寝たい…
でも…
こんな迷いは実は上辺だけで、
その結果は大方“寝る”に決まっている。
自分でもはっきり分かっている。
どちらに傾くのか。
自分はどうしたいのか。
まぁもちろんそれはあくまで私の場合だけど。
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