娯楽

6月になって梅雨入りした。


今日は水族館に来ている。



この日を迎えるまで、まだかまだかと連絡を待ち続けた。


彼はあまり自分から連絡をくれない。



連絡をしたら返事はくれるけど、電話も殆どかかって来ない。そんな調子だから、わたしも気を遣って再三連絡をする事を懸念している。



電話口でも声を聴くと嬉しくて、弾む気持ちが話し方に出てしまっていたのか、「何かいい事あった?」って聴いてくる。



あなたからの連絡を待ち望むわたしの気持ちは分かっていない。



それでも我儘を言いたくなくて、彼からのデートの誘いを待ち続けた。



あの日、水族館に行こうと言ってくれたのは本意ではなかったのかと…頭を悩ませては、彼を信じて静観していた。



それは降り出した雨と共に突然舞い降り…雨と一緒にわたしの元へ運んでくれた嬉しい知らせ。



珍しく鳴り出した電話の着信音…



ディスプレイには彼の名前が表示されている。



その名前を口にするだけで、胸がきゅんとうずいた。

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