第55話
私は昔から恋愛体質だった。
幼稚園の時から好きな子はいたし、小学生の時も中学生の時も不思議とそれが途絶えることはなかった。
でもそれはあくまでも“好きな人”であって、高校二年の現在までに付き合った人数はたったの二人だ。
どちらも私が告白をして付き合い、私がフラれた。
初めて彼氏ができたのは中二の時。
同じクラスのサッカー部の男子だった。
今思えばどこが好きだったのかはよく覚えていないけれど、たぶんその爽やかな見た目とかに惹かれたんだと思う。
学校が終われば私は毎日彼の部活が終わるのを待って一緒に帰った。
そしてそんな日常が一ヶ月経った頃、彼に言われた。
「毎日待たなくていいよ」
私はそれを優しい気遣いだと思った。
だから私は言った。
「ううん、待つ。私が待ちたいから」
それに彼はもう何も言わなかった。
それから一週間後、私はその彼にフラれた。
きっと彼は毎日毎日私に自由な時間を奪われていたのだろう。
もちろん彼の気持ちを責めはしなかったし、私はそれをすぐに受け入れた。
そして二人目の彼氏ができたのは、中三の時だった。
相手は一つ上の先輩で、先輩の卒業式の日に告白をしてオッケーをもらえて付き合うことになった。
付き合って早々に彼は高校入学となり私達にはすれ違いの日々が始まったのだけれど、たまに会えるのが私にはとても嬉しかったし楽しかった。
だから、普段はメールや電話で我慢できた。
そんなある日、彼に「家に遊びにおいで」と言われた。
彼の部屋を見られる喜びに、私は二つ返事でその誘いを受け入れた。
その日、彼の両親は不在だった。
そして流されるままに初体験をその彼に捧げた。
どうやら彼も初めてだったらしい。
お互いに初めてだったから何が正解かはよく分からなかったけれど、彼はしっかり射精していたし終わったあとは「気持ち良かった」と言っていたから特に問題はなかったんだと思う。
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