序章/第一楽章
第1話
夕方6時。人と車で溢れる交差点の赤信号を知らないたくさんの人間と待つ私。
ビルの巨大な電光掲示板には、一体誰が見てるのか。夕方のニュースが映されていて。ほとんどが手の中の小さな画面を見つめる中、私は1人ビルを見上げる。
『天才少年ピアニスト、奥村晴都帰国!』なんて字幕と共に映る、それはそれは綺麗な顔をした年頃の男の子。
何よ。ちょっとテレビに出るからって良い気になっちゃって。
画面の向こうの相手に悪態ついてるのなんてこの場で私だけだろう。
自分と同じくらいの子が成功してるのが気に食わない。そんな醜い嫉妬があるのは否定しない。でもそれだけじゃない。
世界をまたにかけて活躍するバイオリニスト、
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