あなたと堕ちられるのなら、どこまででも
桜詩
第1話
きっと、なにか事情があるんだろうなとは思っていた。彼は、私と似ているところがあったから。
『色白で、瞳は色素薄めの黄みがかった茶色。髪色はミルクティーカラーで、スタイル抜群。まさに校内のアイドル』
そんな肩書きを勝手に作られた私、日暮香水。
『白い肌に、日を通さないような真っ黒な髪。青黒い、そこだけ見たら冷たいと感じてしまいそうな瞳に、筋の通った高い鼻。スタイルがよくて性格も優しい、理想の王子様』
そう呼ばれている、私の前の席に座る柊木朔玖くん。
モテるところ。体育を必ず見学するところ。
それが私たちの共通点だった。
それだけだと思っていた。
まさか同じルールの中で生きる存在だったなんて、思ってもみなかった。
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